Gerstmann症候群
左角回を責任病巣とする①手指失認②左右失認③失算④失書の4症候からなる症候群。
4症候全てが揃って出現する頻度は少なく、独立していたり部分的な組み合わせで出現したりする場合が多い。
①手指失認
身体部位失認の一症状。手指の選択障害、呼称障害が含まれる。
②左右失認
患者自身あるいは検査者の体の左右を区別できない状態。
口頭で左右を問うたり、「右手で左肩を触って下さい」などの口頭命令課題で調べる。
③失算
失算の原因として以下が考えられる。
(1)数字の失読失書
(2)視空間的失計算(USNを伴う)
(3)作業記憶低下による演算操作そのものの障害
Gerstmann症候群における失算は(3)による失演算だと推測されている。
④失書
自発書字、書取、写字における障害。
角回、縁上回は書字機能を有し、純粋失書の責任病巣である左上頭頂小葉も近い。
実際にGerstmann症候群の4症候がそろった患者さんを見たことがありますが、手指失認、左右失認は比較的早期に消失しました。
今まで、スクリーニングで手指失認に関しては呼称課題のみしか実施してなかったので、手指の選択課題も取り入れてみようと思います。